地方在住ブロガーの憂鬱

地方在住ブロガーの苦悩


http://ascii.jp/elem/000/000/427/427531/

   では、今回のビデオチャット取材のきっかけになった地域差についてお聞きします。Yamadaさんとしてはどんなところで地域差を感じますか?


Yamada 古田さんの取材もそうですが、オフラインのイベントがあったときに痛感します。2008年にFPNアルファブロガーアワード記事大賞に選んでいただいたのですが、その表彰イベントの「アルファブロガー・アワード2008」に参加できなかったのは悲しかったですね。

 どうしても会場は東京になりますから、交通費や時間を考えると参加できないんですよ。でも、本当に参加したかったですね。

 あと、有名サイトの管理人さんに誘われても、地域的に実際にお会いできないのもつらいです。北海道在住の管理人さんたちとお会いしたことは何度かあって、それはありがたいし大切にしたいのですが、東京在住の超有名どころの方にも色々聞きたいことがあるわけです。そうしたことが気軽にできないのは、やっぱり悲しいですね。

 私は職業ブロガーではないので、本職を優先して住む地域も時間も決めています。そういう人はたくさんいると思いますが、住居が北海道だと、「じゃあ、今度ご飯でも?」というチャンスが本当に少なくなるんですよ。


   トップクラスになるほど、ネットはオンラインだけのものじゃなくなるという側面が見えますね。逆に、普通のユーザーなら、あまり関係ないともいえますか?


Yamada 情報収集やブログの公開だけなら、まったく問題ないと思います。ただ、将来ネットを使ってどうしたいと考えたときの道筋のいくつかの難易度が、東京や大阪のユーザーに比べて跳ね上がってしまう。そこはなかなか解決できない部分ではあると思います。


 http://ascii.jp/elem/000/000/427/427531/

 ものすごく分かる。地方に住んでいる身分にとってブロガーのオフ会というのは、言わせてもらうと「なにそれ、おいしいの?」という世界である。冗談抜きで


地方で感じるオタク情報の重要度


 ところで「ニコニコ動画*1」「マンガ」「アニメ」「秋葉原コミケなどのイベント情報」と、いわゆるオタク系の情報をネットで扱うとき、どういう風に優先順位をつけるだろうか。または自分自身にとってどの情報が重要なのだろうか

 ちなみに俺の場合はこういう順位でブログを書いている。


 ニコニコ動画」>>>「マンガ」>>>>>>>>>>(深くて大きな溝)>>>>>(越えられない壁)>>>>>「アニメ」≧「イベント情報」


 はっきり言うが、上に書いた(深くて大きな溝)というのは決して大げさではない*2。その理由は以下の通り。



地方に住んでても「まだカバーできる」オタク系の情報

(1) ニコニコ動画、またはYoutubevocaloidや東方などの2次創作作品


 いわゆる「ネット発」の作品情報。つまり「ネットの中」で簡単に手に入る情報なので、検索で「ググれば」すぐに記事のネタが拾える。

(2) マンガの最新情報


 週刊雑誌のマンガはまだいい。ほぼ同時か、最悪でも1日遅れで情報が手に入る。つまりギリギリで他人の話に加わる事ができる状態である。
 問題は月刊、または季刊のマンガ雑誌。たまに2日、または3日遅れで発売される雑誌があるので、都会と比べるとその分だけ「ネタばれ」の恐怖にさらされる。まあこれはだいぶ慣れたが。

 さらに問題はマンガの単行本。確実に2日か3日遅れるので、先に手に入った人の「ネタばれ」が怖い。向こうが「ネタばれ」の記事を発表している時に、こっちはその本がまだ売られていない状態になっている事が多々ある。まあこれもだいぶ慣れたが。



 以上2つは、まだ地方に住んでてもカバーできるオタク系の情報である


 問題はここからだ。以下の2つは地方に住んでいると、確実にお手上げと言わざるを得ないオタク系の情報である。

地方に住んでると「絶対にカバーできない」オタク系の情報

(1) 深夜アニメの内容、および最新情報


 どういう作品がアニメになるのか? 声優や主題歌の情報は? という情報は簡単にネットで手に入る。そこまではいい。問題はそのあとだ
 地方に住んでいるとそのアニメ作品の中身まではフォローできない*3

 はっきり言ってこれは深刻だ。地方では確実にそのアニメは放送されないので、その時点で地方のブロガーは「大きなハンデ」を背負うことになる(だから(大きくて深い溝)なのである。これは簡単に埋める事ができない)。

 もうこれは最初から「無かったもの」として割り切らないと話にならない。地方に住んでいるとこの手のアニメの話はあきらめるしか方法は無いのだ

(2) アキバやコミケなどの現地情報


 これに関しては俺の身の上話を書いたほうが早い

 今現在、俺はどげんかせんといかんでおなじみの県に住んでいる。で、そこから東京に行ってから帰るまでがいかに大変か書いてみたい。

 まず最初に家から空港までの間の往復交通費、空港から東京までの間の往復飛行機代、東京からホテルまでの間の往復交通費、ホテルの宿泊代*4、ホテルから目的地までの間の往復交通費。目的の商品の代金。これら全ての料金は、どんなに頑張っても10万は超える

 これが人生で3、4回やるなら「まあ、いいかな」で済むのだが、これをコミケみたいに年に2回やると、確実に生活費に影響が出る。お金がいくらあっても足りない。

 これはブログなどのオフ会でも同様だ。大抵のオフ会は東京で行なわれる。出席したいのはやまやまだが、毎回出席すると確実に破産する

 つまり地方から東京に行くには、実に気合の入った状態で行かなければならないのである。


おわりに


 いかがだろうか。地方に住んでいるブロガーが、都会に住んでいるブロガーに情報を合わせなければならない苦労が分かっていただけただろうか。
 本当にネットの情報を全国基準に合わせるのは、時に神経のすり減る行為なのである。これは大げさではない

 いや、本当にどうしたら平等に情報が共有できるのか、誰か教えてくれませんかねえ。

*1:vocaloidや東方など

*2:その溝はあまりにも深くて、支えになる橋(情報の交流の場だと思ってください。)の橋脚が建てられない。そしてその溝の割れ目があまりにも大きいので、その先にある「越えられない壁」という壁すら見えない。

*3:ニコニコ動画で見ればいいじゃないか」という意見が出るだろうが、まずゆっくり見ようと思ったときにはすでに運営に消されているし、そもそも著作権法違反。

*4:もちろん1泊で済むわけがない。大体3泊か4泊ぐらい。